ホロトロピックブレスワークのセッションとは

ホロトロピック・ブレスワークの概略をご紹介しましょう。スタンダードなコースは、2泊3日の合宿形式で、日常から離れた、自然の豊かな環境で行ないます。呼吸法のセッション中だけでなく、それに引き続く、静かに体験を消化し、深めていく時間と環境が非常に大切です。C+Fのワークショップ施設は伊豆にあり、温泉があって、太平洋を臨む原生林がすぐそばですので、それにふさわしい環境といえます。

ホロトロピックのグループは、トレーニングを受けたファシリテーターひとりにつき、12人前後の少人数が原則で、ひとりひとりに十分な注意を向け、サポートできるようになっています。私たちのワークショップの参加者は、通常大学生から70歳代まで、さまざまな年齢層および職業の人たちで、男女比はほぼ半々です。参加する動機もさまざまで、特定の問題に取り組みたいという場合もありますが、大半の場合、もっと深く自分を知り、未知の可能性を探りたいということになるでしょう。セッションは、基本的には個人の内面の体験ですが、グループで行なうことにより、ダイナミックなエネルギーの総和が、たがいのプロセスを促進します。

初日の午後にスタートし、最初に理論と具体的なやり方を説明した後、参加者は二人一組になり、どちらが先にブリーザー（呼吸をする人）で、どちらがシッター（ケアをする人）になるか、決めます（呼吸法は、交替して2セット行ないます）。夕方、最初のセッションがスタートします。マットレスに横になったブリーザーが周りを気にせず呼吸に集中できるように、明かりを落としてあります。ファシリテーターは、ブリーザーのために体の各部分をリラックスさせていくイメージを誘導します。それから内的プロセスの進行を助ける音楽が始まり、それを合図に、深くて速い呼吸をスタートします。とくに最初の1時間位は、できるだけこの深くて速い呼吸を続け、自由に全身を動かします。その後は、個々のペースで進行し、呼吸の速さと深さにより、セッションのペースと深さをコントロールします。たとえば呼吸のペースを落として、内面のプロセスをじっくり味わうこともできます。シッターの基本的な役目は、ブリーザーの脇にいて、ケアをすることです。ブリーザーが体験していることは、シッターにとり、鏡のように自分自身の内面のプロセスを見ることです。ブリーザーのときと同じくらい、気づきと癒しの機会になり得ます。ペアどうし、たがいの呼吸のセッションが、共通のテーマをもっていたり、相補うようなプロセスになることも、よくあります。このブレスワークは、心身を浄化し、創造のエネルギーを解放し、ある種のピークを経て、深いリラクセーションをもたらします。最後のリラックスした状態をふくめ、全体で約2時間半のセッションです。終えるときには、心身共に不快な感覚がなく、リラックスしていることを、ファシリテーターがひとりひとりのブリーザーと確認します。何らかのエネルギーが滞っているようであれば、ボディワークを行なって、解消します。

全体の流れをつくっていくのに、音楽はとても大きな役割を果たします。まず、深くて速い呼吸のリズムをつくっていくために、ビートの速い、反復するリズム。ドラムなどの打楽器による、ダイナミックな音。しだいにメロディーが入ってきて、感情（ハート）に訴えます。そしてさらに高まったプロセスがピークを経て、徐々に静かで瞑想的ないしリラックスする音楽に変わります。ファシリテーターが全体のプロセスの進行に合わせて、選曲します。日常よりも深い意識状態で聞く音ですので、質が高く、なるべく歌詞の入っていないものを使います。ジャンルとしては、民族音楽や環境音楽、ヒーリング、クラシック、声明や聖歌をはじめとする東西の宗教儀式に使われる音楽など、多様です。セッション後には、「マンダラ・ドローイング」と呼ばれる、体験を絵で表現するということを行ないます。直感的に絵を描くことで、言葉よりも無意識のプロセスを表現しやすいのです。体験の中で実際に見たヴィジョンが描かれることもあれば、象徴的に表した色や形になる場合もあります。その後はゆっくり休みます。

2日目は、2回目のセッションを行なう他、体験をゆっくり消化し、深めるために、瞑想したり、自然の中で過ごします。また夜には、2人1組で、体験の分かち合いを行ないます。翌日のグループ全体による分かち合いの準備となるようなセッションですが、通常、たがいから多くを学ぶことができます。

最終日には、ひとりひとりの体験を、絵を使って、グループ全体に説明してもらいます。ファシリテーターからのアドバイスやグループ・ディスカッションによって、多角的に体験の理解を深め、日常生活に役立てるための助けとします。ホロトロピックのグループは、一人一人の内なる知恵や治癒力を信じ、任せていけば、グループ全体のプロセスの総和が、肯定的な結果と癒しをもたらしてくれます。

ワークショップに参加された方の感想 ＞